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<糸魚川の大きな翡翠わさび>

今後の展望をお聞かせください

次のステップは、水産加工場を作ることを考えています。我々が育てた魚を観光客に食べに来てもらうような「食の観光」に繋げていければ、地域活性化にも貢献できます。糸魚川は有数の漁港があるにもかかわらず水産加工場がないため、前出の海洋高校の卒業生の多くは県外に就職してしまいます。このため水産加工場は地元の悲願でもあるのです。
現在販売を始めた新商品の「わさびパウダー」は、100%わさびだけを使用して製造した世界初の商品です。当商品は水さえあればどこでもわさびを作ることができ、目が痛くなるような独特の強い香りが特徴で、外国の人にも「これが本物のわさび!」というカルチャーショックを与えたいという思いで作りました。この商品を今後、当社の6次産業の主力商品にしたいと考えています。
当商品の製造に当たり低温乾燥機の購入が必要でしたが、その費用を〈いとしん〉から融資してもらいました。普通、金融機関は実績のない事業には、なかなか融資をしてくれませんが、〈いとしん〉は企業が追いかけている夢にも耳を傾けてくれます。
当商品はまだ市場に浸透していませんが、世界に一つしかないという大きな強みを活かし、今後のヒット商品に結び付けていける可能性は大きいと考えています。現在、農林水産省には日本の和食文化を世界に広めていこうという流れがあり、中小企業の世界進出を後押ししています。この機会を活用し、レストランや料理人、またインバウンド向けにも宣伝を行っていく予定です。わさび需要が広がるなかで、わさび栽培が地域の人たちをも巻き込んだ事業に発展し、糸魚川わさびのブランド化が進むことを楽しみにしています。

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<栽培中のわさび。モーターを使わない水やりをしている>

〈いとしん〉はどのような存在でしょうか

〈いとしん〉との取引は先代の社長のころからで、梶屋敷支店の親睦団体(信和会)の会長を務めるなど、非常に長く親密なお付き合いをさせていただいています。〈いとしん〉以外にも地方銀行との取引はありますが、他の金融機関よりもきめ細やかな対応をしてくれる金融機関だと感じています。これまでにも当社の悩みについて一緒に相談に乗ってくれただけではなく、必要に応じて〈いとしん〉のネットワークの中で他の取引先との橋渡しをしてくれるなど、大きくビジネスチャンスを広げてくれました。
また新規の事業を立ち上げる際にも、通常は事業計画や収益見通しの策定を求められますが、〈いとしん〉では、職員が現場を見にきてくれて、事業内容を理解し、将来性を見据え信用で融資をしてくれました。地域の企業や新しい事業を育てようというスタンスが大変ありがたく、夢に対して投資してくれる「縁の下の肥やし(力持ち)」、そんな金融機関だと感じています。