本間社長は、どうしてそのような考えに至ったのですか?

きっかけとなる出来事がありました。
当社では、苦しいながらも何とかやりくりしてきましたが、これまでに一度だけ「今月は本当に給料が支払えないかもしれない」という状況に置かれたことがありました。
すると、当社が非常に苦しい状況に置かれていることを理解した従業員が、可能な限りの現金を自身の口座から下ろしてきてこう言いました。「社長、このお金で皆に給料を支払ってください」。私は、この時のことを思い出すと今でも涙が出てきます。
私はこの出来事を通じて、こうした従業員に報いていけるような、従業員が誇りを持って働ける会社にしていかなければいけないと心から思いました。そして、従業員には「会社は自分のもの」だと思ってほしいと考えるようになりました。
当社は、お客様、金融機関にも助けていただいてきましたが、従業員に助けてもらったからこそ、今があります。どんな時でも、「必ず誰かに助けられている、必ず誰かのおかげである」という気持ちを忘れたら、どれほど良い商品、どれほど良いお客様がついたとしても、最終的に必ずうまくはいきません。だからこそ、感謝の気持ちを持つことを従業員一同、本当に大切にしております。


本間社長にとっての秋田県信用組合とは?

秋田県信用組合は、自ら血を流してでも地元を支える金融機関です。決して見捨てない覚悟と血の通った力強い行動力で未来を築いていける、秋田県になくてはならない金融機関であり、私どもも秋田県信用組合の支援なくして今はなく、輝ける未来もその存在のおかげで切り拓けると確信しています。
秋田県内の企業は、県内だけでなく県外にも顧客を求め、商流を確立させていくことが重要になると考えています。「しんくみ食のビジネスマッチング展」に出展した秋田県信用組合取引先の商品が、機内食に採用されたケースを知っていますが、これはしんくみの後押しがなければ実現はしていなかったと思います。また、当社は、秋田県信用組合の田舎ベンチャービジネスクラブの会員ですが、同じく会員である企業と身障者用の駐車場に取り付けるゲートの共同開発を行い、空港に機械を納品したことがあります。これは田舎ベンチャービジネスクラブという横の繋がりによるものであり、会員でなければこの案件は実現していません。
こうした事例を見聞きし、また私自身も実際に経験するなかで、「産学官」だけでは成し得ない、金融機関による支援がいかに大切かを実感しています。

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しんくみに期待することはありますか?

優良で事業基盤が整った企業は、これからの時代は守りに専念するところも多いのではないでしょうか。そうなると経済全体の成長はストップしてしまいます。そこで、当社のような中小企業が"未来を切り拓き"、成長していくことがとても大切になると考えています。
中小企業の"未来を切り拓くための行動"には、地元企業を一番応援してくれているしんくみの支援が不可欠です。秋田県信用組合は、秋田県全体の支援に力を入れており、その応援を受けながら当社が事業計画を実現して成功することで、小さくても"未来を切り拓く"ことを考える企業が出てくるきっかけにもなると思います。そうした企業が増えれば、秋田県全体が変わっていくと思います。
しかし、新たに事業を創出しようと考えている企業は、どうしても独りよがりなところがあり「この計画は絶対に大丈夫」と思い込んでしまいがちです。そんな時は、秋田県信用組合の職員が、適切なアドバイスを通じて企業を導いてくれると信じています。

本間社長が描く、今後の展望を聞かせてください

これからは社内研修をはじめとする社員教育に力を入れていきたいと考えています。
そう考えるきっかけは、秋田県信用組合の職員教育にあります。しんくみとお付き合いが始まり最初に感じたことは、「窓口の方の顧客対応がすごく気持ち良かった」ことです。複数の支店を訪問したことがありますが、どの支店も顧客対応が気持ち良く感動したため、当社も秋田県信用組合を見習っていきたいと思うようになりました。
当社のような中小企業は、教育に時間と費用を掛けることは難しいことです。しかし、しんくみ職員の方々を見ると、それはとても大切なことであると感じます。だからこそ、今後は、社内研修をはじめとする社員教育に力を入れ、より良い企業にしていきたいと思っています。