お取引先様に対して大切にしていることはありますか

より早くお客様へ納品することをモットーにやっています。お客様から「日新産業に頼むと仕事がやりやすいなあ」と言っていただけることで仕事が広がっていくからです。お客様から図面を渡された際、納期や製造方法を即座に判断できなければ短納期は実現できません。そのための知識を備えた社員が私たちの会社にはいます。
私たちの売りは超短期で納品できることですが、その際はしっかりと代金をいただきます。何かの技術に特化するのではなく、総合力で選んでいただく。そういうビジネスモデルなんです。短い納期に対応できるよう、案件ごとに専任の社員が主軸となって担当し、一貫して取り組むことで素早く対応できるようにしています。社員の一人ひとりがプロフェッショナルなんです。

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繁忙期はあるのでしょうか

依頼が重なって忙しくなることはあります。また、製品には流行があるので、同時期に似たような試作品の製作依頼を受けることもあります。
私たちはすべての仕事を自社だけで行っているわけではありません。昔からお付き合いのある関連企業さんに依頼に合わせて協力してもらっています。試作品の製作には何より早さが求められますので、滋賀県内の企業、その中でも極力物理的に距離が近い企業にお願いすることが多いですね。取引先には滋賀県信用組合のお客様もいらっしゃいます。

滋賀県信用組合(けんしん)とのお付き合いについて、お話を聞かせてください

1974年の創業当初からお世話になっています。特にバブル崩壊のころ、資金の調達が難しくなった時期がありましたが、その際にどこの金融機関よりも親身になって私たちを支えてくれたのが〈けんしんさん〉でした。そのころの印象は今でも残っていますし、そういった意味で〈けんしんさん〉は特別な存在ですね。
今でも月末は必ず当座預金の残高確認のために会長である父が〈けんしんさん〉の草津支店に伺いますし、その際には支店長さんとさまざまな相談をしています。〈けんしんさん〉の歴代の支店長さんとは面識がありますね。もしかしたら母よりも長い時間を過ごしているかもしれません。それくらい入り浸らせてもらっています。
会社を経営する上ではさまざまな資金需要がありますが、〈けんしんさん〉はいつも素早く対応してくれるので大変助かっています。〈けんしんさん〉の金利は他の金融機関より高いですよ。でもね、それでいいんです。
当社ではお客様の依頼に応えられるように製造機械を購入しています。大型のものや高価な精密機械もありますし、1台で1億円を超えるような機械もあります。また、大半はコンピューター制御で加工できる機械です。必要に応じて製造機械を買い替えており、これには、〈けんしんさん〉に多分なご協力をいただいています。
新しい試作品を作るためには、新しい技術を取り入れていく必要があります。時代の移り変わりとともに求められるものも変わっていきますし、それに合わせて私たちも対応しており、〈けんしんさん〉にはそういった時々のニーズに応えていただいています。お客様からは「日新産業に聞けば時代の流れが分かる」なんて言われ方をしていただいたこともあります。

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御社の今後の展望を教えてください

製造業は日々、技術革新が続いています。作るものも変わるし、作り方も変わっていきます。10年、20年後はどうなっているのか予想ができない世界です。私たちも今までの事業形態に拘り過ぎず、さまざまな情報を得ながら新しいことに挑戦していきたいです。
現在、私たちの会社の取引先は家電業界、自動車業界、精密機械業界、医療業界にわたっていますが、今後は取引先をより広くより多く増やしていきたいですね。新しい業界から仕事をもらうことは、現場のモチベーションアップにも繋がると考えています。もしその仕事から利益が出なくても、依頼を受ける中で新しい情報を得られることもあるでしょうし、次に繋がっていくことだと思います。

日新産業株式会社は産業の最先端であり続けるため、今後とも何事に対しても臆せずチャレンジしていく。綺麗に曲げられた板金の先には新しい技術を取り入れていく力強い輝きが見えた気がした。