お店の名前の由来を教えていただけますか?

兄 私は高校で寮生活をしており、その寮の名前が「大望館」という名前であったことが由来です。
弟 名前はずっと決まらなくて、兄弟らしい名前や北海道らしい名前なども考えていました。「覚えやすい名前がいいね」とは話していました。
そんな折、兄が母校の寮へお店をオープンするという報告に行きました。そのとき、寮の先生が「大望でいいじゃん」とぼそっと言ってくれたのを母と私が聞いていて、「ああ、これだ!」となり、決まりました。
また、TaibowのTを取るとaibow(相棒)になるところなど、兄弟でお店をしているのでなんとなく繋がるところがあるなと思い「Taibow!」にしました。最後のビックリマーク「!」は、開業するにしてはフレッシュなほうだと思ったので、フレッシュ感や勢いを表現したいと思い付けました。

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コーヒーやジェラート、ソフトクリームへのこだわりを教えてください

兄 コーヒーへのこだわりは、豆は鮮度が大事なので、毎週新鮮なコーヒー豆を札幌の丸美珈琲店から仕入れていることです。
丸美珈琲店は私が北海道で働かせていただいたお店で、オーナーはコーヒーソムリエを取得し、焙煎の大会で日本一に、世界大会でも3位になっている有名な方です。
丸美珈琲店のオーナーとは、大学卒業後にカフェの専門学校へ入学した際に出会いました。私はどうしても丸美珈琲店で働きたくて、何度も断られながらもお願いをして働かせていただきました。珈琲店ではラテアートも学び、オーナーがラテアートの大会に出ることを後押ししてくれて、北海道で出場したラテアート大会では2回優勝することができました。
弟 当初考えていたメニューは、コーヒーとソフトクリームのみでジェラートは計画にはありませんでした。
新潟には、いくつか有名なジェラートのお店はあったものの、なんとなくどこも似ていたので、違うマーケットを狙って出したいと思い、どちらかというと濃いめの味付けでナッツ系も作っています。
私は、イタリアにあるジェラートマシンのメーカーに短期間留学をして勉強をしました。イタリアで食べたジェラートはものすごく甘くて濃くて......。でもこの味の違いがおもしろいと思い、ジェラートは基本的に濃いめで作っています。最近は地元農家さんの果物を使うなど、少しずつですが契約農家を増やしています。これからも地元の食材を使ったジェラートを作っていきたいと思っています。
ソフトクリームについても、イタリアのマシンメーカーで学んだ「濃厚なジェラートをいかにしてソフトクリームにするか」という「ジェラートソフト」のコンセプトを新潟に持ち帰りたいと思っていました。私たちが知っているなかでもこのように作っているお店は、北海道と東京に1店舗ずつしかないと思います。ジェラートソフトは「新潟に違うものを」というコンセプトのもと、推している商品の一つです。
兄 お店をオープンして3年になります。オープン当初はすごく浅炒りで出していたのですが、もう少し深炒りのコーヒーが飲みたいというお客様が多かったので、深炒りで出すようにバランスをみながらやっています。
弟 幼い子ども連れのファミリーから杖をついたお年寄りまで、幅広い世代の方々に来ていただいているので、それぞれの好みにどう合わせるかはオープンしてから常に考えるようになりました。

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外観や内装のこだわりを教えてください

弟 起業に当たり、巻信用組合の小杉理事長(当時、本町支店長)の勧めで商工会やNICO(にいがた産業創造機構)、IPCに相談に行ったのですが、商工会の指導員さんに「ここでやりたいのですか?」、「この場所がいいんですか?」と何回も聞かれ、なかなか厳しい反応でした。また、NICOでは中小企業診断士に計画書を提出したら、「本当にこれで事業が成りたちますか」という厳しい反応をされました。
この場所での開店については私たちも迷いました。しかしここは祖父が持っていた土地であり、ここから見える景色は素晴らしいと自然に思えました。大好きな北海道に似ているところや、目の前には私たちが子どものころから遊んでいた上堰潟公園もあり愛着がありました。また、北海道から地元に帰ってきたときに地元にカフェがなかったということもあり、経営的には難しい場所かもしれないけれど、それなりにニーズはあるのではないかと思っていたので、この場所でやるという決断をしました。
兄 私のなかで考えていたのは、かっこよすぎず、ダサすぎずというところです。おしゃれなものは絶対に入れたいと思ったのですが、かっこよすぎておしゃれすぎるとお店に入りづらいと感じる方もいると思いました。
弟 ここでお店を出すと決めたときから、コーヒーとともに景色を楽しんでもらうというところは大事なポイントでした。外観も、この土地で浮きすぎないように景色と馴染むように作っていただきました。