SHINKUMI PEOPLE: (写真:左から、堀内敬祐氏、堀内育郎氏、小杉正人理事長(巻信用組合))
インタビュー・構成 全信組連新潟支店

新潟市西蒲区にある角田山のふもと、自然豊かな場所にある「Taibow! Coffee & gelato soft(タイボウ! コーヒー&ジェラート ソフト)」。兄が北海道で学んだラテアート(コーヒーの上にミルクで模様を描くアート)と弟がイタリアで学んだジェラートを地元新潟の人に提供したいと、2017年1月1日に兄弟でオープンした人気のカフェである。
開店から1年目で突風の被害に遭いながらも、さまざまな人に助けられ再開することができた。地元の方をはじめ多くのお客様に愛され日々にぎわっている、同店の堀内敬祐氏(兄)、育郎氏(弟)にお話を伺った。


開業するまでの経緯をお聞かせください

堀内育郎氏(以下、弟)何となく昔から「2人でいつか何かしようか」と話していた記憶があります。
コーヒー自体は、小学生時代から身近な存在でした。母の実家が秋田県にあり、親戚が集まるときには必ず、朝と夜は誰かが順番でコーヒーをドリップして淹れて飲む習慣がありました。そのような環境にいたので子どものころから自然にコーヒーが好きでした。
堀内敬祐氏(以下、兄)子どものころから、コーヒーを淹れる工程(豆を挽いて、ドリップする)が好きでした。新潟の家にいるときはあまりしていませんでしたが、親戚が集まる秋田での楽しかった時間は、淹れたてのコーヒーとセットで良い思い出として記憶に残っています。
私たちは2人とも北海道の大学に進学しましたが、私が北海道でコーヒーに感動したことがきっかけでお店を出したいと思うようになりました。

taibow_6.jpg

北海道に行くことを決めた経緯を教えていただけますか

兄 中学2年生のとき、野球の試合中に脳出血で倒れてしまいました。言語等の障害が残ってしまい、普通高校への進学は無理だろうと言われたのですが、母とともに懸命なリハビリをして回復し、高校に進学することができました。好きだった野球も続けることができました。
ものづくりが好きだったので、大学受験の際は陶芸などものづくりができる環境の大学をと思い、東京などにも学校を見に行きましたが、自分のなかで進学したいと思う学校がありませんでした。
しかし、母の勧めで北海道の大学を見に行ったときに、大自然やほどよい都会感が気に入り、また、大学の陶芸ができる施設が素晴らしかったことから北海道に行くことを決めました。
弟 私は地元の高校を卒業して大学をどこにしようかなと迷っていたときに、兄のいる北海道に夏休みに遊びに行ったら北海道が大好きになり、道内の大学に進学しました。

経営のノウハウはどこでどのように学ばれましたか?

弟 経営に関しては完全に手探りで、本当に大変でした。私は大学の経済学部に進学したので、簿記の基礎知識や経営論の簡単なものは大学で学んでいましたが、飲食店の経営に関しては、本を読んだり、巻信用組合さんに創業の相談をした際に勧められたIPC(公益財団法人 新潟市産業振興財団)の創業セミナーを受講して学びました。
また、顧問税理士さんは、野球部後輩のお父さんにお願いしているなど、地元の方々に助けてもらいながら、経理処理のことや税金のことなども手探りでおこなっています。
経営と店の運営の両方をしないといけないので、2人でなかったら大変でしたし、やろうとも思わなかったかもしれません。

taibow_1.jpg