砂利関連事業を行ううえで、どんな点に苦労されていますか

当社の課題は、土木業界に属しており公共事業に左右されがちな事業特性を持っていること、需要が秋季(8月~11月末)に集中する地域特性があること、河川からの砂利採取が制限される河川法改正などにより砂利採取場の確保が難しくなってきていることなどが挙げられます。こういった点に対しての解決策がなかなか見つからないという難しさがあります。私としては、さまざまな制約条件に対し、経営の効率化や保有資産の有効活用をベースにした競争力強化が必要であると考えています。

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経営効率化の観点からITを積極的に活用しているとお聞きしました

当社では、意思決定のスピード向上や現場の効率化を実現するため、数年前からセールスフォース社のクラウドを導入しました。このシステムの特徴は、屋外現場である砂利採取の作業・進捗状況、製造プラントでの骨材の生産管理、コンクリート工場や建設現場までのダンプトラックの運行管理、重機類の手配など、分散する作業現場の状況を、クラウド環境を活用して閲覧、入力できるシステムにより「どこからでも、誰でも、いつでも見える化」を図ったことです。
情報共有やデータの見える化を図ったことで、同僚の作業状況を確認したうえで自分の働き方を考える社員が出てきたほか、非効率な部分に気付きやすくなり、社員の作業効率が向上し、売上増につながりました。これらが認められ、経産省による「攻めのIT経営中小企業百選2016」に選出されました。当社のような中小企業こそ、無駄を省く努力が必要だと思うので、今後もITをうまく活用していきたいと考えています。

太陽光発電の分野に進出された目的をお聞かせください

太陽光発電は、砂利を掘った後の土地を有効活用することが目的でした。十勝地域は、平均気温が低く、日照時間が長いため、太陽光発電に向いています。設置したパネルから発電した電気は、電力会社に販売することで、遊ばせている土地から収入を得ることができます。
一方で、太陽光発電には、閑散期に社員に仕事を与えることができるという目的もあります。農業王国「十勝」にあって、砂利関連の仕事は秋季に偏っており、閑散期にいかに仕事を作るかということが課題でした。閑散期に、太陽光発電関係のメンテナンス事業を加えることができ、閑散期の仕事に厚みが出ました。こうした太陽光発電事業への進出に対しては、十勝信用組合にいろいろな点でご協力いただきました。

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