しんくみは「近くにあって、寄り添って、頼りになる」金融機関

「商品がより多くの目に触れる機会になるのでは?」
七島信用組合に勧められ、同社は、東京都港区竹芝で2年に1度開催する「島じまん2018」(七島信用組合が協賛)にブースを出展した。このイベントは2日間で約10万人が訪れる一大イベント。その一角に、七島信用組合と共同で同社の椿油を使用した「手作り生石けん」の体験コーナーを設置したところ、子ども連れの来場客を中心に両日とも大変な盛況となった。
「七島しんくみさんは、小さなお子さんでも体験しやすいような工夫を一緒に考えてくれたり、当日も率先して手伝いや片づけをしてくれました。初めての試みで不安なことも多かったですが、七島しんくみさんのサポートは心強く、挑戦してみてよかったなと感じています」と安藤専務。
同社と七島信用組合は、創業当初から取引があり、同社にとってしんくみは「何でも相談できる相手」だという。
「取引を始めたばかりのころは、『これは言わないほうがいいかな』と思うことが多々ありました。でも今は、良いことも悪いことも、隠し事なくすべてお話していますし、何か良いアイデアが浮かべば、すぐに七島しんくみさんに行き、相談しています。また、七島しんくみさんは、融資だけでなく、経営のアドバイスをいろいろとしてくださいます。しかも『売上を伸ばすにはこうしたらいいのでは』という意見をくれるだけでなく、それを一緒に実行してくれます。一緒になって営業先を回ってくれたり、取引先を見つけてきてくれたり、ともに汗を流してくれる金融機関だと実感しています。
苦しいことも、嬉しいこともたくさんありますが、この仕事を続けてきて一番に感じるのは、『自分ひとりではここまでやってこられなかった』ということ。一緒に働く従業員や、いつでも『近くにあって、寄り添って、頼りになる』七島しんくみさんがいてくれたからこそ、続けてくることができました。その方たちを大切にしていくことを何よりも心掛けています」
安藤専務の言葉には、謙虚な人柄と、しんくみへの信頼の厚さがにじんでいる。

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「生椿油」をより多くの方に知ってもらうために

「椿油の劣化を防ぐためや、人手の問題から多くの在庫を抱えることができないので、注文があると製品の梱包作業などに追われることもたびたびあります。また、寒い季節には装置の結露により椿油が濁ってしまい、対応に苦心したりと今でも悩み事は尽きません。
でも、当社のおみやげ袋を持った観光客を目にした時や、何年も商品を取り扱ってくれなかった大手のドラッグストアが商品を置いてくれるようになった時は『続けてきてよかった』と、とても嬉しく思います。椿油と出合った当初からの思いである、より多くの方に生椿油の良さを知ってもらうことを今後も目標としていきたい」と安藤専務は目を輝かせる。
しかし、大島の特産品である椿油は「みやげ物」として扱われており、今のところ島を訪れる人に買われるのを「待っている」状態。安藤専務の思いを実現するためには「より多くの店に商品を置いてもらうこと」、「インターネット通販などを活用して幅広く商品を販売すること」などが課題となる。
少しずつではあるが、同社は全国のドラックストアなどと契約し、商品を納品・展開。安藤専務も販売促進のため全国各地の店へ足を運び、自社商品のアピールを行っている。また、ホームページ開設準備を進めているほか、七島信用組合からの情報提供により公的機関の助成金なども活用しながら商品の展示会へ出展するなど、「知ってもらう」ための努力をコツコツと続けている。
最後に同社への七島信用組合からの応援メッセージを紹介しよう。
「商品を手に取っていただければ分かると思いますが、同社の技術力は確かなものです。当組合では、特許庁が推進する『知財ビジネス評価書』を使い特許技術の評価を行っており、そこでも同社は良い評価を受けています。これからの可能性は大いにあると感じていますので、これからも、新しい商品やより良い販促方法など、一緒に考えていきたいです」(杉本秀之本店長)。
「安藤専務は、商品開発・営業・資金繰り・工場の管理など、一人で多くの業務をされています。専務が日々、一生懸命に頑張っている姿を見ているので、今後もできる限りのサポートをしていきます」(羽深美枝本店長代理)。
「たくさんの方に、椿油の良さを知ってもらいたい」との思いで、独自製法を生み出し、多くの商品を考案してきた株式会社FOR-C。その高い技術力を支える数々の「工夫」と「努力」、そして同社に寄り添い続けるしんくみの姿勢は今後も変わることはないだろう。
同社のこれからの活躍に期待が高まる。

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