ご挨拶

北村理事長

平素は、全信組連の事業運営につきまして、格別のご支援を賜り厚くお礼申しあげます。

全信組連は、設立以来70年に亘り、信用組合の系統中央金融機関としての役割を担うべく信用組合に対する総合的なサポートや業界インフラの整備・運営、安定収益を確保するための有価証券ポートフォリオ運営など、業界の信用力の維持・向上に努めてまいりました。また、一般社団法人全国信用組合中央協会との協働を深め、信用組合業界の中央組織としての意思決定の迅速化と機能強化を図っており、信用組合やそのお客さまを支えるため一体となって取り組んでおります。

2023年度はおかげをもちまして、資金量7兆6,711億円となり、資金利益は219億円を計上、金利上昇局面における有価証券ポートフォリオの見直しを実施した上でも、当期純利益15億円を確保いたしました。この結果、健全性の指標である自己資本比率につきましても18.11%と引き続き高い水準を確保することができました。これもひとえに、信用組合をはじめ関係各方面の方々のご支援とご協力あっての賜物と切に感謝申しあげる次第です。

高水準の企業収益が賃金・設備投資に回ることで経済活動は回復基調を維持するものの、個人消費の持ち直しの遅れや人手不足による供給制約を受け、回復のペースは緩やかになると見込まれる中、信用組合のお客さまである中小・小規模事業者においては、物価・エネルギー価格および人件費の高騰に見合う十分な価格転嫁が進んでいない先も見受けられ、厳しい経営環境が続いております。こうしたなか、信用組合においては、資金繰り支援にとどまらず、お客さまに一層寄り添った経営改善・事業再生支援への貢献が求められているほか、マイナス金利政策解除による本格的な金利上昇局面への対応、デジタル社会の進展やサステナビリティへの取組みなど、内外に対応すべき課題が山積しております。

こうした状況下において、全信組連では新たな「経営の中期的戦略(2024年度~ 2026年度)」を策定し、目指すべき姿である「すべての信用組合に万全なサポートを提供できる中央組織」を明確にいたしました。この姿の実現に向けて、3つの柱である「信用組合へのサポート強化」「DX推進・ITガバナンス強化」「全信組連の収益力強化」を掲げ、信用組合の経営に資する各種施策を着実に遂行していくほか、その実現のためには「強靭な組織・職業人」であることが不可欠であり、組織態勢を強化し職員一人ひとりが成長を実感できる職場を構築してまいります。同戦略に掲げる各種施策に全力で取り組み、全国信用組合中央協会とともに、信用組合とそのお客さまをサポートしていく所存でございますので、一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

2024年7月
理事長
北村 信